2012年7月25日水曜日

いい加減な本

三島由紀夫が死んで以来、面白い本に出会ったことがない。
黒澤明亡き後、まともな映画を見たことがない。

そう思っているのは、私だけではないでしょう。

昨今のベストセラーってのもロクな本がない。
特に「本屋さんの店員が薦める本ベストテン(だったかな?)」などは、
「軽薄本ベストテン」とタイトルを変えるべきだ。

で、今日は最近の「食わせ本」を2冊取り上げてみた。


◆北川智子/ハーバード白熱日本史教室/新潮新書

この本の特徴は、著者の自慢話がやたら長いことと、
講義の中身がまったく学問的でないこと。

ハーバード大学の日本史の授業は、
チャンバラ映画によるサムライ讃歌だった。

著者は男が主役になっているサムライ映画はオカシイ。
女だっていたはずだと反発し、
レディ・サムライの講義を思いつく。

そういえば「女太閤記」なんて時代小説があったなぁ。
ま、それを上野千鶴子ばりに脚色した授業を提案し、採用された。

その授業がバカ受けして、学生からも高い評価を得た。
という自慢話なんだけど、中身がいい加減。

史実ではなくて、史観によるこじつけ物語が陳列されている。

ちなみに著者の専攻は東洋数学史なんだって。
仕事が無いので日本史を教えているんだって。

おいおいハーバード大学って、こんなにいい加減な大学なのかい?
幻滅の書だわ。

◆新雅史/商店街はなぜ滅びるのか/光文社新書

「商店街再生のための必読の書」だと。
この人の言っている「商店街」とは、
「商店街振興組合」のことらしい。

商店街と商店街振興組合をゴッチャに述べているために、
論点が定まらない。

この本の弱点は定義の曖昧さにある。

組合の生成・制度史、盛衰物語としては面白い。
しかしなあ、制度史は墓碑銘にすぎない。

墓碑銘が面白いからといって
シャッター商店街が蘇生することはない。

著者は酒屋の息子だったことを売りにしている。
一部の読者は、それをもて囃している。
愚かな話だ。

***
という案配で、本も映画も宣伝文句が一番面白い。
中身を見たら仰け反ってしまう、というお話でした。

ああ、三島由紀夫と黒澤明の時代が懐かしい。

6 件のコメント:

  1. baroqueさん
     三島由紀夫いいですね~~~
     三島の文章はゾックとしますね。
     彼が絶賛したエッチング画家の絵が・・・
     KappaのBed Roomに飾ってあります。

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    1. kappaさん、こんにちは。

      あら、kappaさんも三島ファンだったのですか。

      > KappaのBed Roomに飾ってあります。

      山下清澄さんのエッチング、Flickrで拝見しました。
      いかにも三島好みらしい作品ですね。

      こういう精緻な絵は、本場イタリアにはない、日本独特のものなんでしょうね。
      よく分かりませんが。

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    2. baroqueさん
      ドッキ!
      どうして~~?
      KappaのFlickrまで・・・知ってるのだァ~
      彼の作品は日本独特どころか~
      彼だけの世界ですね。
      他に居ませんもの。
      其れにしても~絵を観ただけで~
      誰其れの作品と分かるとは腰が抜けちゃうわ!
      寺山修司や三島に愛されましたが~~
      二人共直ぐにこの世を去ってしまったことが・・・
      残念ですね。baroqueさんは奥深いですね~。
      お喋りが楽しみだなァ~☆彡

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    3. kappaさん

      > KappaのFlickrまで・・・知ってるのだァ~

      俺は探偵だ、と言ったじゃないか。
      てのはウソですが、
      「kappaのBed Room」で検索したら出てきた。
      というのもウソ。

      自分のブログにFlickrをリンクしているじゃないの!

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    4. baroqueさん
       じゃ~~Kappaのブログ見てるの?
       其れなら~もっとUPしましょう♬ 
       見に来てね・・・。
       こっそり観てたんかい?

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    5. kappaさん、こんにちは。

      > こっそり観てたんかい?

      そうだよ。

      > 見に来てね・・・。

      貧富の差が大きいので、コメントできないよ。

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