TBSで「金子みすゞ物語」が放映された。
配役からして期待できないと思っていたが、駄作だった。
実弟との叶わぬ恋、政略結婚、離婚、自殺と不幸続きの人生だった。
最も重要なのは自殺に至るみすゞの心の動きなのだが、
自分の詩が国民的関心を呼んでいるというのに、
心の深みを読み取ってもらえない。
なんと不幸な詩人なのだろうか。
***
みすゞが死をもって親権を守った娘・ふうちゃんは、
希望したとおり、母が育てることになった。
しかし、成人したふうちゃんは、実の父と生活している。
みすゞが自殺した経緯からすると理解に苦しむ話なのだが、
ふうちゃんは「自分を見捨てて自殺した、自分勝手な母」
と恨んでいたというのだ。
死をもって守ったはずの娘に、その意図が伝わっていなかった。
***
金子みすゞは昭和5年(1930年)に自殺したのだから、
50年の著作権はすでに消滅している。
しかし、矢崎某が著作権を主張して、
金子みすゞの作品を独占している。
未発表作品を含む全集を発行したことを根拠にしているらしい。
作家の死後に未発表の原稿が発見されることはよくある。
その発見者がいちいち著作権を主張していますか?
まったく、人間、欲が絡むとなにをするか分かったものではない。
***
みすゞちゃん、あなたがいくら辛辣な詩を書いても、
醜い人間の心には響いていませんよ。
▼金子みすゞの墓・長門市仙崎・遍照寺
▼墓碑銘には上山ミチ娘 金子テル子(金子みすゞ)と
実弟・上山正祐の名が刻まれている。
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